障害者支援技術インタフェースの標準化

米IBMが障害者向けの支援技術を開発するベンダー向けに新たな技術を開発した。
開発されたのはスクリーンリーダーなどの支援ソフトがアプリケーションソフトと情報のやり取りを行うためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)である。IBMはこのAPIをLinux関連技術の標準化を検討しているFree Standards Groupに提供し、同グループの標準技術として承認されたという。

APIの名称は「IAccessible2」。

記事によると新たなAPIの特徴としては以下の2点。
・アプリケーション間やOS間での互換性(インターフェースの標準化)。
・新たな文書フォーマット、インタラクション手法への対応(ODFやAJAXへの対応)。

まず、OS間でインターフェースが標準化されることによってLinux版のスクリーンリーダーの開発が促進されることが予想される。

モジラ・コーポレーションは既に、オープンソースのWebブラウザ「Firefox」にIAccessible2を組み込む意向を示している。
これによってこれまでInternet Explorerのみに対応していたIBMの「ホームページ・リーダー」が将来的にFirefoxにも対応する可能性がある。

アクセシビリティ面での弱さが指摘されていたODFもこれによって弱点が補強された形となった。
また今後、Adobeが自社のFlashにIAccessible2を対応させるのかどうかも注目される。

参照記事:
『米IBM、障害者向け支援技術でソフトウェア・インターフェースを開発』 日経プレスリリース 2006年12月14日発表
『IBM、障害者支援技術インタフェースの「業界標準化」を推進』 ITmedia エンタープライズ 2006年12月15日記事
『IBM、ODFデータの音声変換技術を開発 』 Computerworld 2006年12月15日記事


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